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朝日新聞社
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ファッション学のすべて (Handbook of fashion)
カスタマーレビュー ![]()
モードの仕組み・起源・問題性
(2008-07-27)
サブタイトルは「現代モードの社会学」、全6章立てで、服飾・身体造形・化粧品といった分野について歴史的な脈絡と共に、メディアに触れる者の欲望を刺激し、あるいは欲望自体を作り出して消費の円環回路を駆動し、機能させていくメカニズムが記述されていく。第1章と終章では著名な服飾デザイナーの業績を解説していくことで議論を落ち着かせているが、挟まれた第二章から第五章はそれぞれ「美」、「隠すこと/禁じること」、「社会の中で意味する/される衣服」、「モードを支える欲望」という問題系の中で具体的に議論がなされる。「美しさ」は多様化したと良く言われながらも実際はひとつの理想的な範型が念頭に置かれていて、その食い違いをモードは有効に利用していること、裸を隠したり、裸体へのぶしつけな接近を禁じることの隠蔽・禁止の強化がやがて他者を見ること・他者に見られることの意識化をもたらし、身体・みかけへの自覚、身体・みかけを統制するべきだという規範の内面化が各人に生じ、モードはそんな心情を上手く利用していくということ、ジェンダー毎の服飾規則や制服が含意する社会的メッセージ、個性という差異化への欲望と、あからさまに他と違うことで周りから逸脱することへの怯えという矛盾した各人の心情がブランド製の服飾品の消費へと水路づけられていくメカニズムなど、日々の日常の消費行動に潜む問題性に訴えかける視点が多く含まれている。
消費することは間違いなく快感であり快楽の形式だが、それは同時に各人の情況という砂浜を舗装する敷石として現状を見えにくく、見えなくしてしまう装置としても働いているのではないか。消費社会論の具体的各論展開として、読み手に与えるものの多い1冊。
表面論
(2007-09-09)
我々はしばしば他人の外見的、表面的な美しさに魅せられ、その内側にはもっとすばらしいものがあるのではないかと期待する。でも実際は内臓しかないのだ。わかっちゃいるけど、あいかわらず体の表面をなぞり続ける人間様の悲しい?性について言及している本書は、服飾素人の私にはなかなかグッとくるものであった。

